2019.09. 小さな家の工夫

LDKについて

2階のLDKに階段室を取り込むことで、LDKが小さいながらも視覚的な広がりと上下階の連続性が生まれ、面積以上の快適さが得られます。構造計画上も、合理的な吹き抜け空間となり、トップライトから差し込む自然光が、1階玄関に柔らかな明るさを届けます。

デッキバルコニーについて

外観デザインの特徴である2階部分のキャンチレバーのバルコニーをウッドデッキ張りにすることで、LDKのフローリングとの一体感が増し、LDKがより広く感じられます。

デスクスペースについて

廊下、階段まわりにデスクスペースを設けることで、移動空間を作業空間としても有効活用でき、省スペースが可能になり、各個室のスペースも最小限にできます。キッチンとデスクスペースが一直線に並んでいるので、調理の合間にデスクスペースで雑用をしたり、子どもの宿題をみるなど、家族間のコミュニケーションもとりやすく、育児・家事がしやすくなります

子供室について

将来的に2人の子どもの成長に合わせて、部屋数を変えられるようにしました。外観デザインの特徴である屋根形状を生かして小屋裏に物置部屋(ロフト)を作り、収納量を確保しました。ロフトに沿って仮設間仕切壁を設け、出入口の建具を引き分け戸にすることで最低限の2室使いも可能です。子どもが独立した後は元の1室使いとし、引き分け戸を開くとLDKと一体となり、ワンルーム空間になります。子供室からLDKを経由して外部へと続く視線の抜けが、より開放感と広さを感じさせます。

トイレについて

折り返し階段を家の中央に置き、廊下を最小限に抑えた間取りにしました。小さな家ではスペースの無駄を極力減らしたいのは当然で、階段下の空間を有効活用し、トイレを配置しました。

建具について

建物のボリュームを抑えるために1階の天井高は低めの2100mmとしていますが、建具を天井高いっぱいにすることで数値以上に天井が高く感じられ、戸を開けた時に空間の連続性が生まれます。

円卓について

円卓には小さな家特有の心地よい親近感が生まれ、ダイニングに広がりと落ち着きを与えてくれます。どちらにも方向性がないので、部屋の形状を問わずレイアウトしやすいのが特長です。また、テーブルの周囲に動線を確保できるので、部屋が小さくても移動しやすい空間になります。